2018.2.5 2月給料袋メッセージ
『逆境に勝る師なし。』
今日は5日。給料袋のメッセージを書きました。
毎日の仕事を通じて、大げさですが『人間とは何か』を学ぶ気がします。毎日何も起こらない日はありません。ピンチはチャンスと言いますが、大小さまざまな問題が発生する中でハッと大切な物に気づくことがあります。
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社員の皆さん、ご家族の皆さんへ
いつも社業への貢献ありがとうございます。2018年に入り早1か月を過ぎました。お客様からの注文が好調で多忙な日々を過ごしています。本当に有難いことです。
ダイカスト現場では700℃に溶かしたアルミニウムと真剣に向き合う技術社員の皆さん、事務所が完成し更なる飛躍を望み日々成長を感じる加工部門の皆さん、お客様の短納期と高品質の要求に応えるため必死に走り回ってくれる管理部門の皆さん、いつも素敵な笑顔とやさしい一言で働きやすい環境つくりしてくれる総務部門の皆さん。本当に頭が下がります。皆さんありがとうございます。
今回は私が会社へ入ってから学習してきたことについて開陳してみたいと思います
1999年、ダイカストのことを全然知らない25歳の時アーレスティ熊本様に一年間勉強に行かせていただきました。私のダイカスト人生の幕開けです。4月から6月の3か月間はダイカスト現場で800トン機を手打ちしていました。すごく面白かった記憶があります。7月から9月は金型整備工場でした。少数精鋭のプロ軍団が毎日20面以上の金型を1面1面丁寧に整備していました。10月から12月は技術課に配属させていただきました。試作段階での作り込みや金型温度の確認しながら鋳造条件の設定する。
サイクルタイム短縮の取り組みなどの製造コストを下げるのも技術課の仕事でこの仕事は本当に面白いものでした。1月から3月は品質管理課です。ホンダさんや日産さんなどのお客様のところにも連れて行ってくださり、レベルの高い品質作り込みの大切さを学びました。アーレスティ様での研修で一番驚いたことはみんなが情報共有している事です。災害・ヒヤリハットやクレームがあったことはもちろんですが、今はこういう取り組みをしていること、今日はどのお客様が来社されることなど全社員が細かく情報共有していることに本当に驚きました。この日本一のダイカスト工場での一年間の体験が私の基礎になっていることは間違いありません。
その後東陽精工に入社して現場を任されました。現場での仕事は必至のパッチでしたが不良品や返品がかなり多かったので、品質マネジメントシステムを独学で勉強してISO9001を構築したのもこのころです。2007年なにわあきんど塾で初めて経営について勉強しました。経営者や後継者のためのカリキュラムが組まれておりその時勉強したことは経営の基礎になっています。
2008年未曽有の経済危機リーマンショックが起こります。そのころ売上の85%がダイカスト同業からだったため仕事量が激減している上に金型返却を迫られ大きな痛手を負いました。1週間で水曜の昼ぐらいには生産する物がないという状態でした。
『不況に強い会社つくりをせなあかん』『不景気が来るたびに金型を引かれる仕事はあかん』と思い現場を抜けだして営業活動をし出したのが2009年です。電話営業・飛び込み営業をよくしていましたが営業するといってもすぐに出来るものではありません。アポイントとったお客様の会社の前に行くと胃がキリキリしてよく足踏みしていたのを思い出します。お手製のホームページを自作してブログ『ダイカストのヒント』を始めたのもこの時です。
『徒手空拳のままこの先本当に営業やっていけるか』と悩んでいた時に出会ったのが営業の師匠青木先生の開発したプログラム『質問型営業』です。『営業はお役立ちである』『不器用な人ほど営業は上手』『元気は要らない』『いいスーツもいらない』『会社の説明はするな』『お客様の悩みを聞くだけ』『お客様に寄り添う気持ちが大事』これや!青木先生の教え通り、毎日振り返りノートを書いて営業を実践していきました。しばらくすると営業ができるようになりお客様からの仕事の依頼が増えてきました。
2013年代表取締役に就任。ここから人生でこんなにも悩むか?というぐらい大きな問題が発生します。古参の社員・中堅社員・新入社員がどんどん辞めていくのです。自分の何が悪いのか全く理解できず、わけがわからなくそれは本当におおきな悩みでした。
そんな中、2016年6月一人で参加したタニサケ塾、そこで出会ったのが松岡会長です。出会った一言めに『跡取りのボンクラ社長』と言われてかなりムッ!と来ましたが、松岡会長の『他者中心』『利他の心』『早起き』『トイレ掃除』『下座行』『長たる者は部下の誰よりも損をすべし』の教えを実践する中でなぜ社員さんが辞めて行ったのかがわかるようになってきました。社長として、人間としての甘さに原因がありました。
人生は山あり谷ありです。必ず谷もきます。しかし逃げずに信念を持って進んでいけば逆境が人を強く、たくましくします。まさに逆境に勝る師なし。と言えます
最後までお読みいただいてありがとうございます
2018年2月5日 東陽精工株式会社 代表取締役 笠野晃一