2014.10.13 蜩の記
今ちょうど役所広司と岡田准一の主演で
映画上演している『蜩の記』
10年後の切腹を言い渡され村奥に幽閉されながら
三浦家の家譜編纂を続ける秋谷
わけあって秋谷の監視のため同居することになった庄三郎
生命の脆さを描きながら迫りくる死への覚悟の力強さ
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『不思議だな。そなたは目立ったことをなすわけではないのに
関わる者は生き方を変えていくようだ。
心がけの良き者はより良き道を、
悪しき者はより悪しき道をたどるように思える』
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『それが武士というものだ、と秋谷はわしを殴って諭しおった。』
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『弁明しても心を変えることは出来ぬ。
心を変えることが出来るのは、心を持ってだけだ』
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『未練がないと申すは、この世に残る者の心を
気遣うてはおらぬと言っておるに等しい。
この世をいとおしい、去りとうない、と思うて逝かねば、
残された者が行き暮れよう』
男の覚悟
魂の生き方
友への正義
最後の数ページ
日本人らしい≪愛≫を感じた
素晴らしい小説でした
映画も楽しみです